不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座


今回の養成講座も今まで同様に実のあるものになったと思う。その中で特に印象に残ったものがあった。

一つは神奈川レディースクリニック渡邊英明先生による「胚培養技術の進歩の軌跡と未来」であった。
インキュベーター(培養庫)は近年では無加湿型の物が多くなっているという。庫内を無加湿にすることで加湿型と比べて扉の開閉に伴う温度、ガス濃度などの培養環境の変化からの復帰が早いなどのメリットがある。

最近ではこの無加湿に加えて中を見ることができるタイムラプスというものがある。扉を開閉することなく胚を観察でき、動画を用いて正確な受精の確認や胚の動的な解析が可能になる。

培養液に関しては、昔はあまり良くない培養液だった為胚盤胞への発育はごく稀であった。その後連続型培養液というものが開発された。胚の栄養代謝、栄養要求が受精3日目以降から変化することが分かったのだ。今では胚盤胞培養の前半と後半共に同じ培養液で培養することができるようになった。

胚の培養だけでも昔と今ではこれだけの変化があるのだということを知った。医学はどんどん変化している。

2つ目は「これまでの活動と周産期の立場から思うこと」である。
現在は北里大学病院助産師 遊佐浩子先生は、新卒で入った大学病院のNICUから不妊カウンセラー・体外受精コーディネーターの仕事に至るまでの経緯と不妊治療のあり方についての考えを述べられた。

その中で40歳代後半の妊婦さんたちやそのご家族は高齢妊娠中の合併症や出産前後のトラブルについて説明を受け、理解したうえで治療を選択したのだろうか。という疑問があった。妊娠高血圧症候群や母体適応で治療的早産になる可能性がある。分娩に時間がかかり緊急帝王切開による出産になったり、分娩時出血が止まらず子宮動脈塞栓術を受けたりすることもある。分娩時に赤ちゃんにストレスがかかりNICUに入院することもある。これらのトラブルは高齢になると増加する。
遊佐先生は妊娠健診通院中は産後の育児支援者やサポートについて手配しておくことをすすめているという。

3つ目に、絹谷産婦人科院長 絹谷正之先生による「ARTにおける自然周期と刺激周期ーその比較と選択」である。
絹谷先生は体外受精の基本的なことから刺激周期に使う薬やその使用方法、種類について話してくださった。薬や投薬方法については私は理解できていない部分がたくさんあったのでとても勉強になった。
話された刺激法の中で新しいものとして「ランダムスタート法」や「遅延スタート法」には驚きがあった。月経周期に関係なく排卵誘発を行うことができるというものだ。これからも新しい治療法が次々に生まれてくるだろう。

今回の講座を受講して感じたことは、常に変化していく医学に遅れない様私達鍼灸師も新しい知識を取り入れていく必要があるということだ。病院の治療と並行して鍼灸治療を受ける人が沢山いる中でこの、患者さん毎の病院の治療法に理解を深めておくことでもっと深く患者さん一人一人に向き合うことができるであろうと感じた。そうすることで結果の出せる鍼灸治療であればいいと思う。

そして、不妊鍼灸に携わっていると妊娠することや妊娠維持が目的になってしまってその後についてまでは患者さんと話すことがあまりできていないように感じる。その先まで私たちが一緒に考えることができるべきであり、患者さん自身が妊娠したその後までイメージしていけるようにしていきたいと思った。

 

鍼灸師 小林

あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

nineteen − 4 =